高校の時からクラリネットを吹いてきて、何度も管体にスワブが詰まりそうな気配を感じることがあったが、その度に間一髪でくぐり抜けてきた。
ところが先日ついにスワブが詰まって抜けなくなった。
とある日曜日に大学の先輩にあたる人に誘われて、横浜市内の某所で練習を始めてわずか30分後の出来事だった。
絶対そんな訳ないと現実を否定しつつ、しかし全く抜ける気配がなく、むしろ状況が悪化している感じすらあったため、止むを得ず練習を取りやめ帰路に着いた。
どうにかして自力で取れないものだろうか。何か道具さえあれば…。
ラジオペンチで引き抜こうとするも、スワブの繊維を引きちぎるばかりで効果がない。
その後、平日は研究室に引きこもっているため放置していたのだが、夢にまでスワブの詰まったクラリネットが登場し始めた。
グーグル先生に尋ねると、やはり最終的には楽器屋に頼るしかない。下手に力をかけてキーが曲がったり内部を損傷したらそれこそ悲劇である。
そんな訳で、次の週の日曜日、重い腰を上げて東神奈川の某楽器屋に持ち込んで修理してもらった。
幸いすぐに手をつけてくれて、5分も経たずにスワブを取り除いてくれた。プロのリペアマンて本当にすごい。僕はあらためてそう思った。
なお、スワブ自体は引き裂かれて使い物にならなくなった。先日カラオケに忘れて一つ消滅していたので、持っていたクランポンのスワブをすべて失った。
そこで帰りにその楽器屋でヤマハのスワブを買った。逆方向から引っ張る用のヒモは付いてないがクランポンよりも布が上質な感じがし、実際スルスルと通る。値段もクランポンのそれよりだいぶ安い。昔のヤマハのスワブはダサさの極みだったが、近年のモデルは良いことが分かった。
気になる修理代は千円ポッキリであった。
結論としては、スワブ詰まりなど自力でどうにか出来そうな気がしてしまうけれども、プロに任せたらあっという間に取ってくれるし、色々試行錯誤したり憂いてる暇があったらとっとと楽器屋に行くと良いという事である。
リペアのお姉さんにスワブが取れなくなったと告げた時は相当の屈辱を感じたが、帰りの道中は新しいパンツをはいた正月元旦の朝のように爽やかな気分であった。