アクネ菌(Cutibacterium acnes)というとニキビに悪そうなイメージであるが、誰にでも存在する皮膚常在菌であり、プロピオン酸や脂肪酸を産生して皮膚を弱酸性に保ったり、病原体に対するcolonization resistanceに寄与するという。今回は抗生物質を作って皮膚細菌叢の構成に寄与することが明らかとなった。
この論文では皮膚常在菌であるアクネ菌が産生するcutimycinという抗生物質を同定した。cutimycinは毛包内における細菌叢を変化させ、ブドウ球菌(S. epidermidis)の定着を減らすらしい。これがいいのか悪いのかはさておき、正常な皮膚細菌叢の維持に関与しているのだろう。
細菌などを含む毛包内容物を採取するのにビオレの角栓除去シートを使っていて少し笑った(写真もあります)。
Science Translational Medicine 18 Nov 2020:
Vol. 12, Issue 570, eaay5445