免疫老化は衛生的な近代人や実験動物で研究がなされてきたが、常に感染の危険に曝される自然状態ではどのような意義を持つのだろうか?
ということで筆者たちは野生のヒツジを26年間にわたって継時的に調査した。
頭数は800頭、血清サンプルは2000に及ぶ。
その結果、ある種の寄生蠕虫に対する血清IgGが加齢とともに減少すること、そしてこの抗体量でヒツジの死(冬に死ぬという)を予測できることを発見した。
Teladorsagia circumcinctaという線虫に対する抗体を見ている。野生と家畜、どちらのヒツジにおいても重要な寄生虫らしい。
Figure2つ、わずか3ページでScienceというセクシーな論文。
労力というか根気がすごい。
Froy et al. Senescence in immunity against helminth parasites predicts adult mortality in a wild mammal. Science365, 1296–1298 (2019).
https://science.sciencemag.org/content/365/6459/1296