2019-09-22から1日間の記事一覧
リンパ球にT細胞(TCRを発現する)とB細胞(BCRを発現する)がいるのはご存知だと思います。 このパラダイムを覆すとして免疫学的には大ニュースなのですが、TCRとBCRを両方発現するどっちともつかない細胞(Dual expressers: DEs)が1型糖尿病患者で見つか…
蝶々とかタニシなど一部の生物の精子には無核精子という核がない精子が作られ、自身は受精能力はないけれども有核精子の受精に必須です。しかしその理由は不明でした。 筆者たちはこの無核精子の分化に必須の遺伝子として、ハエでは性決定のマスター遺伝子で…
細胞遊走について核が先頭にきている絵を見ると思いますが、樹状細胞(DC)は核と微小管を機械的な測定装置のように用いて目の前にあるいくつかの孔を試し、より抵抗が少ない方を選んで進むとのこと。 これはT cellや好中球でも普遍的だったそうで、核が前に…
小胞やオルガネラなどの細胞内輸送はアクチン骨格の3次元構造とmyosin Va分子モーターによって駆動される。 筆者らはstochasticoptical reconstruction microscopy (STORM)というなんかカッコいい超解像顕微鏡を駆使し、myosin Vaによるリポソーム輸送の挙動…
腸管上皮幹細胞であるcrypt base columnar cell (CBC,いわゆるLgr5+幹細胞)を障害で喪失しても上皮が再生する事から、クリプト底部から+4の細胞(reserve stem cell: RSC)がCBCにリプログラミングされると言われていましたが、その後の研究でRSCは損傷修復…
IL-1αとβはそれぞれカルパインとカスパーゼという異なる酵素に切断されて活性型に変化するが、IL-1αはトロンビンによっても切断されるというimmunityの論文。 IL-1αの切断配列をアミノ酸置換したマウスでは、創傷治癒と血小板新生が不全となる。 トロンビン…
マラリア原虫は宿主である蚊のメスが血を吸って卵を作り始める(哺乳類に感染できるようになる)とステロイドホルモンを感知し、蚊の脂質を利用して増殖を始めるが、それは蚊の卵形成に対しては競合的ではない。普段は増殖しないで大人しくしており、マラリ…
Scienceに載っていた50万人くらいのゲノム(英国白人中心)を大規模に調べた論文によると、同性愛行動に相関する5つの遺伝子多型が同定された。そのうちあるSNPは嗅覚遺伝子の近傍にあり、別のSNPは男性型脱毛に関係することから、フェロモンとかホルモンが…